ファミリーハウス・フォーラム報告書
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2019年3月
認定特定非営利活動法人ファミリーハウス 平成30年度オートレース補助事業

はじめに

 日本で小児慢性特定疾患をはじめとする重い病気と闘っている子どもは、10~20万人といわれています。そのうち、自宅から離れた病院での治療が必要な家族には、「病院近くのわが家」として過ごせる場所として、患者家族滞在施設が必要です。こうした滞在施設のことを英語では、ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスと呼びます。
 私ども認定NPO 法人ファミリーハウスでは、東京都中央区にあります国立がんセンター中央病院小児病棟(当時)のお母さんたちからハウスを求める声があがり、1991年からハウス活動を展開してきました。そして、この活動は「付き添い家族の経済的、精神的負担を軽減する」という必要性から全国に広がり、現在は全国で約70団体が約125のハウスを非営利で運営しています。

 しかし今やハウスは、単に経済的負担が少なく宿泊できるということに留まらず、トータルケアの一環として、病気の子どもと家族の「その人らしく生きる」を支援することを目的に運営されています。近年では、医療の進歩や医療政策の転換から、ハウスに求められるニーズも多様化・高度化の兆候があります。

 そこで、多くの皆様にトータルケアにおけるハウスの役割を知っていただくことを目的に2013年より「ファミリーハウス・フォーラム」を開催しております。本報告書は、2018年10月に実施したフォーラムの内容をまとめたものです。

 今回は、医療機関との連携により、ハウスで実践できるトータルケアの様々な可能性について知っていただきたいという思いで開催しました。国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長の小川千登世先生から「がんセンターのミッションとファミリーハウス」というタイトルで基調講演をしていただき、小児がん医療の最前線の状況と、ハウスとの連携の重要性についてお話をしていただきました。そして、ファミリーハウスからは同病院と連携事例を紹介しました。また、ハウスでの支援のあり方を様々な形で伝えるために、絵本朗読、ボランティア活動紹介、利用者からの手紙紹介もプログラムに盛り込みました。フリーアナウンサーの小島奈津子様に『やさしさの木の下で ぼくとびょうきとファミリーハウス』(第51回産経児童出版文化賞・推薦受賞)を朗読していただきました。利用者からの手紙朗読には元NHK おはよう日本中継リポーターの入田直子様にご協力をいただきました。

 フォーラム当日には、169名の等の皆さまに来場いただきました。参加者アンケートの結果を見ますと、医療機関とハウスの連携の必要性や、国立がん研究センター中央病院近くにハウスを開設する意義について、多くの方々にご理解をいただくことができたと感じております。ファミリーハウスの役割に期待感をもっていただけたことに感謝をしております。

 近年、治療中の子どもが一時外泊などでハウスを利用することが多くなっています。そこで現在、ファミリーハウスでは「理想の家」「今までにない新しいハウス」として、病院から歩いてすぐのところに、医療器具を付けたままでも利用できるハウスを新たに開設するために検討を重ねています。実現のためには、医療・福祉の専門職の皆さまとの連携をはじめ、広く社会の皆さまのご理解とご協力が不可欠です。引き続き、活動へのご理解、ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 本事業は、公益財団法人JKA の「平成30年度オートレース補助事業」の助成をいただいて実施いたしました。また、本事業を実現することができましたのは、国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長の小川千登世先生、フリーアナウンサーの小島奈津子様、元NHKの入田直子様、後援をいただきました皆様、本事業の検討委員の皆様、ならびに運営にご協力いただきました皆様のご協力の賜物と感謝いたします。その他、多方面の個人・企業・団体の皆様からご支援をいただき、本事業を実現させることができました。心より感謝申し上げます。

理事長 江口八千代

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